泌尿器科で診断する癌は主なものとしては、①腎臓がん②腎盂がん・尿管がん・膀胱がん③前立腺がん④精巣がん、があります。
①腎臓がん:以前は血尿、腹部腫瘤、腰痛などの症状で気づくことが多かったのですが、最近は検診の腹部エコーで偶然発見されることが多いです。治療は手術が基本になります。
②腎盂がん・尿管がん・膀胱がん:尿路上皮と呼ばれる粘膜に発生する癌で、まとめて尿路上皮がんと言われています。症状のない肉眼的血尿が発見の契機になることが多いです。疼痛などを伴う血尿は膀胱炎や尿管結石などの事が多いですが、痛みなどを伴わない肉眼的血尿は注意が必要です。喫煙が最大の危険因子となります。治療は手術が基本ですが、放射線療法や抗がん剤投与も効果があります。
③前立腺がん:高齢男性で最も多い癌の一つです。前立腺肥大症(良性)は尿道周囲の前立腺が肥厚し排尿困難などの症状が出現しますが、前立腺がん(悪性)は尿道と離れた場所に出来やすいので初期は症状が無いことがほとんどです。検診でPSAという前立腺癌の腫瘍マーカーを採血し、高値なら生検を行い診断を決定するということがほとんどです。進行が遅いと思われがちですが、転移のある前立腺癌は他の癌と同様に進行は早いので世間の噂話に流されないようにしましょう。手術、放射線、抗がん剤、ホルモン剤など治療方法は様々です。
④精巣がん:10歳代、30歳代にピークがあります。症状のない精巣の腫大で気づかれることがほとんどです。早期の手術が治療の基本です。